2019 詩
6.20 剤
元気にしているだろうか
あの船は みかんの種は
伸びきったジャージは
空になった金魚バチは
息は 内ぞうは …
海に手を振った
ウキワが手紙をくれるそうだ
(ミミズは海を知らない
私の血液も 海は知らないよ)
のうみそは 冷たいな と思うよ
6.23
はなうたを紡いで
明日はおそろしくて 苺はすっぱくて
ねむって ねむって ねむって …
見つめていく ないぞうは
押し入れの中にある 金魚 アクスを … むすんで
(星に息をふく ねむってくれ…)
6.25 離島のこどもたち
どこか いつか ミツバチが水平線を見るときは来るだろう
かれらは ここが瀬戸内海だとは思いもしない
ただあの果てに行きたいと 今日もシャーペンの芯を折り続け
サッカーボールを誰も知らない場所に隠す
帰らないで 帰らないで いつまでもあのジャングルジムで転がって首を
また 知らない人からもらうシュークリームの味をも しめあっていくのだ
クリスマスには家を出よう
北京ダックにもさよならのハグをして
どこかへ、いける気がする(ベッドの上で今日も心臓を確かめた)
どこかへ、いける気がする(ブルーハワイみたいな幸福じゃなくてもいいよ)
11.21 スーパーマーケット
夕方と真昼の間の 黄色に傾いた空の色が好きだった
あの 南天の木の下に なにを 隠したの
隣の人の 脳みその しわの形
隣の人の 脳みその 寝息 すすり泣き
ただあの薄ピンク色を 抱いて眠りたかった
君は なにが食べたいの
わたしは 愛したかったよ
(音が鳴る 買うものが決まらない ビニール袋もいらないです)
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